white ceramic teacup near gray pencil on black surface

黒皮(くろかわ)とは?黒皮の色合いや除去方法について写真付きで解説

黒皮の読み方は「くろかわ」で、鉄を製造する過程で出来る酸化皮膜の事。「こくひ」とは読まない。高温に熱された鉄が常温に冷える時にできる黒錆(くろさび)がその正体である。ミルスケールとも呼ばれる。

黒皮の色は?見た目や表面は?

黒っぽい色をしている事が多いが、青っぽい黒、赤っぽい黒、グレーがかっている黒、真っ黒等、製品によって様々な色合いで、独特な風合いがある。また、同じ一枚の板の中でも端の部分と真ん中部分では色合いが異なる。複雑にグラデーションがかかっているので言葉で色を表すことは難しい。

板厚が薄いものはスベスベで、板が厚くなるとザラザラしているものが多くなる傾向がある。

黒皮を除去するには?

黒皮の表面にはピンホールや凹凸があるため、精度が要求される場合には除去が必要になる。

黒皮を溶かして除去する

酸洗い(さんあらい)と呼ばれる方法で、塩酸や硫酸などの酸性溶液につけておくことで黒皮を除去する方法。形状によっては向かないものがある。最初から処理してあるものは酸洗材(さんせんざい)と呼ばれる。

黒皮を削って除去する

物理的に黒皮を削って落とすには単純にディスクグラインダーで削る方法があるが、仕上がりがキレイにはならない事や相応の労力がかかるため、ブラスト処理(ショットブラストやサンドブラスト等)で行われることが多い。加工費が高くなるが、フライス盤による機械加工でも黒皮が除去される。

「クロの鋼材」と呼ばれるものはすべて黒皮付きか?

クロの鋼材と呼ぶ時は黒皮の有り・無しに関わらず錆止め塗装やメッキしていない素地(そじ)の鋼材を指す。黒皮付きではないスモール角パイプ等は黒皮付きのものと区別する意味でアブラと呼ぶ事もある。
また、一般的にはクロというと黒色の塗装品のイメージが強いが、鉄鋼業界では異なるので注意が必要。

黒皮の鋼材はそのまま使える?

黒皮の鋼材をそのまま使う事はできるが、基本的にはそのまま使うものではないため、汚れ移りは覚悟する必要がある。また、濡れたまま放置すると(一発で)錆びる。濡れなくても経年で錆は発生するため通常は錆止め塗装(+上塗り塗装)をして使用するのが一般的。サビても問題がない場所、例えば駐車場の水道メーターのカバー等はそのまま使うこともある。

錆びてしまった駐車場で使われているシマ鋼板の蓋

屋外に設置した素地のシマ鋼板が全体的に錆びた様子。相応の年数が経過しているので、全体が赤錆に覆われている。

黒皮の剥がれ

曲げる等の変形を施した場合、母材の伸びや縮みに耐えられなくなり、表面の黒皮が剥がれる事がある。

黒皮が剥がれて素地が露出する

曲げたりして変形させるとその部分の黒皮が簡単に剥がれて素材の地が露出する。

食品に使っても問題ないか?

特に問題がない。黒皮の鉄板でBBQや焼肉、焼きそば等の食品を焼いたりする場合は中性洗剤でよく洗った後にシーズニングを行ったほうが良い。シーズニングを行うことで鉄臭さを取り除く事が出来る。

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